修善寺温泉から見て北西の丘陵地に広がる、修善寺自然公園。その中に、総面積30,000平方メートルと言う広大な土地を有し、樹齢100年を越える古木から若木まで20種1,000本もの紅白梅が植えられた修善寺梅林があります。こちらの梅は早咲きから遅咲きまで、長い期間楽しめるのが特徴。2月1日から3月10日まで開催される梅まつりでは、露店や飲食店が立ち並び、多くの人で賑わいます。今回は修禅寺での坐禅や名所散策も交えながら、一足早い春を訪ねました。

修禅寺は、大同2年(807年)に空海が創建したと伝えられる曹洞宗のお寺。坐禅は毎週火曜日に実施されています。境内には冬の朝特有の凛とした空気が満ちていて、自然と身が引き締まりました。
参加者の方々と、禅堂のお掃除。心を込めて、丹念に拭き清めていきます。
そして、「合掌」「叉手(しゃしゅ)」「法界定印」等の基本的な動作を教えていただき、作法に則って禅堂内へ。
心を落ち着けて視線を落とし、ゆっくりと腹式呼吸。大切なのは「様々なものや思いにとらわれない」ことなんだそうです。最後に『正法眼蔵生死』というお経を唱えて終了。だんだん時間の感覚が薄れてきて、あっという間だったように感じたのですが、組んでいた足はジ~ンと痺れ…一人悶絶。
禅堂を出て、別室に移動します。本日のお題は『人あり、一句もて』。法話というとどうしても硬い・難しいイメージを抱きがちですが、身近なものと結び付け、親しみやすいお話を聞かせていただきました。
お昼になり、お腹もペコペコ。修善寺からちょっと足を伸ばして、大仁にある「Lemon Tree」さんへ。木のぬくもりが感じられる、おしゃれで可愛らしいログハウスの洋食屋さんです。
【営業時間】11:00~22:00(オーダーストップは21:00) 【定休日】月曜日(祭日の場合は火曜日) 詳しくはこちら
お得な日替わりランチは、土日・祭日を除いた11:00~13:30までの間、メイン料理+サラダ+紅茶orコーヒー+デザートで1200円! パスタの他にもピザやオムライスなど美味しそうなメニューばかりで、あれこれ目移りしてしまいました。
食べ物と正面から向き合う真剣勝負モード。一口頬張った直後、満面の笑顔に! 茹で加減とオリジナルソースが絶品で、いくらでも食べられそうです。この至福の時間においては、体重もダイエットも忘却の彼方…!?
食べた分は歩かなくては! ということで、再び修善寺へ。修善寺の対面にある鹿山の麓にひっそり佇むのが、指月殿です。これは、修善寺で暗殺された源頼朝の嫡男・頼家の冥福を祈り、母・北条政子が建立したもの。伊豆最古の木造建築と伝えられ、右手にハスを持った珍しい釈迦如来坐像が安置されています。
温泉街を抜けて山の方に走っていくと、程なくして梅林の標識が見えてきます。広々とした駐車場にも梅が植えられていて、風に乗っていい香りがふわりと漂ってきました。
※梅園は入場無料、駐車料金は乗用車300円。
緩やかな坂道を下っていくと、西梅林が見えてきました。空の青を背景に、紅梅が鮮やかな色を覗かせ、訪れた人の目を楽しませてくれます。その枝には、梅の蜜が大好きなメジロの姿も。ウグイスでなくても、十二分に素敵な光景です。
周辺施設が確認できる他、近辺にある桂谷(けいこく)八十八ヶ所霊場の紹介も見られます。これらを巡るお遍路さん達の姿と響き渡る鈴の音は、修善寺の秋の風物詩となっているのだとか。
順路に沿って坂を降りてくると、東梅林の手前に売店があります。温かい甘酒を飲んで、ほっと息を吐く方も。そして、梅の芳香とは別の、食欲をそそる香りが鼻腔をくすぐります。
梅林名物、鮎の塩焼き(600円)でした! また、しいたけ焼も人気なのだそう。寒さの残るこの季節に、たき火で焼いた新鮮・アツアツの食材をいただく喜び…ささやかながら、幸せな贅沢です。
西梅林に比べると、こちらの開花はゆっくりな印象。梅のトンネルともいえそうな小道では、仄かな香りと解けかけた蕾たちが迎えてくれました。ベンチも設置され、満開になるとさぞかし綺麗なんだろうなぁ、と思わせてくれる眺めです。
修善寺といえば、多くの文豪や著名人にも愛された地。彼らの句碑を見ることができるのも、ひとつの楽しみです。まずは歌舞伎界から、修禅寺物語の夜叉王役で有名な二代目市川左團次。「我目にも天下一なり湯場の秋」
『金色夜叉』で知られた尾崎紅葉には、正岡子規と並ぶほどの俳人としての一面もあります。昭和16年に作られたという句碑は、「いかさまに霞むやと岡に渉(のぼ)りけり」。他にも、夏目漱石や高浜虚子などの碑を目にすることができます。
数え切れないほど多くの梅の木が立ち並ぶ中、若々しい紅梅の姿もちらほら見かけられました。まさにこれから伸び盛りといったところ。周りに負けない、立派な木に育って欲しいですね。
竹と梅に囲まれた道をてくてく。緑と紅白の対比がなんとも美しいです。また、趣のある茶室・双皎山荘(そうこうさんそう)では野点も楽しめます。お抹茶500円、お汁粉は400円。
梅の木を見上げて、早くも「来年も来るぞ~!」と決意。山の澄んだ空気と豊かな自然に囲まれて咲く修善寺梅林の梅たちに、すっかり魅せられてしまいました。