[ 美術館 / 松崎町松崎 ]
イズノチョウハチビジュツカン

漆喰鏝絵で知られる長八の本職は、実は漆喰鏝絵ではなく建物や室内装飾の左官業でした。展示されている作品は、施主にお礼として贈ったものがほとんど。本業の芸術家の美術館ではなく、贈り手への気持ちがこもった作品たちだからこそ、作品のもつ温かみや茶目っ気が伝わるものばかりです。
たとえば額縁。見ただけではほとんどの人が気づかないでしょう。きっと竹や木材に見えるはず。でも額縁も漆喰なのです。それほど精巧に作られています。「竹が傷まないように」と実際に上から塗装をしてしまい途中で漆喰がはげて、やっと気づいたという持ち主さんもいらっしゃるくらいですから。
それに依田直吉像の足袋。正座している像の足の部分なので普通に置いたら絶対に見えないところなのですが、きちんと足袋が描かれているのです。長八の性格がうかがい知れるような気がします。
持ち前の手先の器用さ、それに狩野派の絵を学び、彫塑の技術を身につけた長八だからこそできた、漆喰鏝絵の境地。どの作品もゆうに100年以上も経っているという作品を観賞できます。
●取材:ほっしー●

天井ドームにある「花を持つ天女」。美術館建設当時(1984年)の名工が漆喰を用い鏝で作った作品です。

建築家の石山修武氏は、この美術館を設計したことにより、建築界の芥川賞といわれる「吉田五十八賞」を受賞。

「龍の図」。長八62歳のときの作品。勢い、迫力が感じられます。















